『麻のきもの・絹のきもの展』『マリー・アントワネット展』

みなさま、ごきげんよう。

東京・横浜の文化財施設で着物バッスルドレス体験

Classical Princess Japonのホームページをご覧いただき、ありがとうございます。

 

最近、仕事の合間に2つの美術展に出掛けてまいりましたので、

そのお話を少し。

 

まずは、文化学園服飾博物館の『麻のきもの・絹のきもの展』。

着物をお召しの方がたくさん来場されていて、着物への愛情を感じました。

 

着物の素材というというと、パッと思い浮かべるのは絹ですよね?

(私はそうです。)

麻というと、夏の素材という感じがして少し地味なイメージがありました。

 

ところが本展示では、絹だけでなく、麻の着物がどのようにして

作られているかという過程が、映像も交えて

丁寧に説明されているのが印象的でした。

麻の原料は「からむし」という植物で、刈り取ったものは

その日のうちに繊維にするのだそうです。

植物から繊維を取り出す作業を「からむし引き」といい、

独特の涼やかな音色を聞くことができます。

またこの作業の最中は、独特のいい匂いがするのだそうです。

 

そして、繊維として使われない余計な茎は畑に残して、

それが次のからむしを育てる際の栄養(肥料)になるそうで、

まさに循環型の生産体制が構築されている様子がうかがえます。

きわめて原始的な方法ですが、サスティナビリティとは何か

ということを考えさせられるひとときでした。

 

一方で絹は、日本において社会的な変化と深く結びついてきました。

特に、明治以降の近代化の過程において、

絹の存在は無視することはできません。

絹そのものはもちろん、織機もトヨタ製・スズキ製のものが

多く海外に輸出されたそうで、外貨獲得の手段として

絹や、絹に関連する製品が存在感を放った様子がよくわかります。

 

またそのような社会学的な側面だけでなく、

織り方によって生地の質感がどのように変化するかという

そのバリエーションを知ることのできるコーナーがありました。

 

私どもClassical Princess Japon の手がけるドレスも、

絹地のアンティーク着物地を使用しているのですが、

ひとくちに絹と言っても、ツルっとした質感のもの、

逆にザラっとした質感のものなど、よく目を凝らしてご覧いただくと

織り方に多様性があることがわかります。

 

以前、同博物館で開催され、当ブログでもご紹介した

日本の刺繍と世界の刺繍展』では、着物地に施された刺繍に

光が当てられていましたが、本展示ではその刺繍を施す織物そのもの

について深く考察する機会となりました。

ぜひドレスをお召しになる際は、織物についてもよくご覧になってくださいね。

繊細な違いですが、お写真にした時の質感にもやはり違いが出ます。

私はドレス用の生地を選ぶ際に、お写真に撮ったときにどんな風になるか?

ということを考えながら選んでいるので、生地の光の反射の仕方については

今後も理解を深めてゆきたいポイントです。

 

本展示は会期が終了し、次回、ヨーロピアンモード展が3月11日よりスタートします。

http://museum.bunka.ac.jp/exhibition/#next

 

 

そして2つ目の展示会は『マリー・アントワネット展』。

こちらはテレビでも特集がされていたので、

お出かけになった方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?

 

私が出掛けた日も多くの方が観にいらしてました。

そして、実は世界史オンチの私にもわかりやすい展示がされていて

とても有り難かったです。

 

彼女が愛用していた日本製の伝統工芸品の数々も、

本展示に合わせてフランスから日本に“お里帰り”しました。

いずれも漆塗りの上に蒔絵が施された、繊細な木製品で、

マリーアントワネットの心を掴む要素があったのだと思うと

なんだか不思議な感じがします。

 

そして囚われの身となっても、処刑台にあってもなお、

気高き王妃であり続けたその強さに、心揺さぶられるものがありました。

時代に翻弄されながらも、その時代を生き抜いたひとりの女性の

横顔を知ることのできる展示でした。

その強さは、時代を超え、また国境を超え、

現代に生きる私たちに、「美しさとは何か」ということを

問い続けているように思えました。